EALAIテーマ講義「東アジアのドキュメンタリー映画 個人映像から見える社会」の映画上映会、第4弾です。
6月末は韓国ドンソ大学教授のナム・イニョンさんを迎え、韓国のパーソナル・ドキュメンタリーについて講義してもらっていますが、今度の課外上映は農村の現状について描いた作品です。
いつもの授業時間終了後、30分ほど休憩を入れてから作品紹介と上映に入ります。上映後はナムさんと自由に話し合う時間にします。
EALAI課外上映 第4回目
日時:6月29日(木)18:30- (終了予定20:30)
場所:東京大学駒場キャンパス 学際交流ホール(アドミ棟3階)
上映作品: ■『農家に還る』
Back to the Soil(韓国/2004/韓国語/カラー/ビデオ/85分) 日英語字幕つき
監督・編集・ナレーター:クォン・ウジョン Kwon Woojung
韓国の忠清南道で都会から移り住む、農家出身の夫の夢であった農業を始める若い夫婦。慣れない農業生活の中で、手探りの収穫作業、自由貿易協定(FTA)の拡大に対する抗議活動、幼い娘の手術や父の病気など次々と困難に直面する。変わりゆく農業システムと新たな朝鮮との迫間で表面化する夫婦間の意思の相違や、年配農家とのギャップを受け止めながら真摯に生きるふたり。一家と共にあるカメラが写しだす爽快は笑顔に引き込まれる。
山形国際ドキュメンタリー映画祭2005に招待上映。
お問い合わせ: 東京大学/東アジア・リベラルアーツ・イニシアティブ
http://www.ealai.c.u-tokyo.ac.jp/ja/lectures_documentary/
TEL/FAX: 03-5465-8835
2年に1回行われる山形国際ドキュメンタリー映画祭の狭間の年。東京で特集上映「ドキュメンタリー・ドリーム・ショー─山形in東京2006」が、今秋も開催されます。YIDFF2005年の大賞受賞作品『水没の前に』の試写に、EALAIテーマ講義受講者も参加できることになりました。
90分の授業(7月10日)では部分的にしか紹介されない映画の全篇をこの機会に見てから、授業に挑んでみませんか。共同監督のイェン・ユィさんのトークつき。
■上映作品■■■■
■『 水没の前に 』■
■■■■■■■■■ 中国/2004/北京語/ビデオ/143分
監督:リー・イーファン、イェン・ユィ ●日・英 字幕有
2009年完成予定の世界最大の三峡ダム。水没する町から移転を余儀なくされる人々の葛藤、不安を置き去りに、住み慣れた家々はいとも簡単に壊されていく。ゆるぎないカメラが時代の変遷を鋭く捉える。
□ゲスト□□□□□□□□□□
□ イェン・ユィ □
□(『水没の前に』監督) □
□□□□□□□□□□□□□□ ◆上映後に監督のトークを予定
2006年7月7日(金) 開場 :18:30 / 開映 :19:00
場所:映画美学校 第1試写室
http://www.eigabigakkou.com/
中央区京橋3-1-2 片倉ビル1階、地下鉄銀座線「京橋」3番出口前
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※東京大学テーマ講義「東アジアのドキュメンタリー映画」受講生で
※参加希望者は事前予約をお願いします。
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参加希望者は、6月29日(木)までに藤岡まで、学生証番号・学年科類・名前をお申し込みください。 fujioka@tokyo.yidff.jp
主催: シネマトリックス 共催: アテネ・フランセ文化センター、映画美学校、ポレポレ東中野
EALAIテーマ講義で来日中のナム・イニョン教授が、山形市の東北芸術工科大学でも講演します。
■6月23日[金] 17:30-
山形市 東北芸術工科大学4F 411講義室
現代芸術原論拡大講義 アジアにおけるドキュメンタリー映像の世界
「パーソナル・ドキュメンタリー、家族、身体」
講師:ナム・イニョン(韓国ドンソ大学教授)
■問い合わせ:山形国際ドキュメンタリー映画祭
実行委員会事務局(山形事務局)
〒990-8540 山形市旅篭町二丁目3番25号
Tel: (023)624-8368 Fax: (023)624-9618
http://www.yidff.jp
「変貌する都市の現在」
前期のテーマ講義「東アジアのドキュメンタリー映画 個人映像から見える社会」も中盤を過ぎ、ますます映画と作り手の視点の多様さに目を奪われる日々でしょうか? 中国のインディペンデント映画をご専門にされているロンドン大学ゴールドスミスカレッジのクリス・ベリー教授の来日にあわせ、『三元里』を課外上映します。
いつもの授業時間終了後、30分ほど休憩を入れてからクリス・ベリーさんに作品紹介をお願いし、上映に入りたいと思います。上映後はベリーさんの解説を聞きながらの交流会としましょうか。
EALAI課外上映 第3回目
日時:6月15日(木)18:30- (終了予定20:30)
場所:東京大学駒場キャンパス アドミニストレーション棟 学際交流ホール
上映作品: ■『三元里』 San Yuan Li
(制作:縁影会 (U-theque) /中国/2003/モノクロ/44分)
1800年代、中国でもっとも大きな商業港だった広州。その旧市街地「三元里」は、1841年アヘン戦争で侵攻した英軍に抵抗し敗走させた住民の街として知られるが、100年後の現代は「売春や麻薬、賭博が公然と行われている場所」で「治安がとても悪い犯罪多発地帯」、悪名高い場所として知られるようになった。
さらに近年の都市開発の波は、この旧市街地を「整備」し、その姿をみるみる変えていっている。「城中村」と呼ばれる、都会の中にぽっかりと昔ながらの街並みやコミュニティが残される現象が見られる。
グローバリゼーションが消してしまうであろう、ある街の、村と都市、過去と未来のハイブリッド状態の現在を記録したい。ビデオカメラを携えた9人の撮影者が6ヶ月に渡って撮った60時間の映像素材から編集し、サウンド・アーチストの音響をつけて『三元里』というビデオ作品が製作された。製作者は「U-theque」という若いアーティスト集団。
このビデオ作品はインスタレーションと出版物とともに、「三元里プロジェクト」として、第50回のベネチア・ビエンナーレに招待されたマルチメディア・プロジェクトの一部である。
お問い合わせ: 東京大学/東アジア・リベラルアーツ・イニシアティブ
TEL/FAX: 03-5465-8835
EALAI テーマ講義のために来日中のクリス・ベリー教授が下記のとおり、京都精華大学でも講演をすることになりました。
2006年6月12日(月)
16:20-18:30 (うち、映画の上映時間40分間)
情報館1Fメディアセンターホール
「中国インディーズフィルムの挑戦」
上映の機会が制約される中で、実質的に広がる製作の自由。
中国ドキュメンタリーの作り手たちはどういう観客を想定し、
誰に向けて作っているのか。英国ロンドン大学のクリス ベリー教授を
迎え、共に考える。
上映作品「三元里(SAN YUAN LI)」:
再開発でなくなる広州旧市街「三元里」を、若者たちが数週間かけて
撮影したドキュメンタリー。
言葉の一切ないモノクロ映像と電子音楽によるモンタージュ作品。
クリス ベリー(ロンドン大学ゴールドスミスカレッジ教授)
通訳者:藤岡 朝子(山形国際ドキュメンタリー映画際コーディネーター)
コーディネート:伊奈 新祐(芸術学部メディア造形学科映像コース)
問い合わせ:京都精華大学 情報館
図書情報課 メディアセンター
TEL : 075-702-5140
テーマ講義「東アジアのドキュメンタリー映画 個人映像から見える社会」で映画のおもしろさに味をしめた方のために、アジアン・アート界の鬼才キドラット・タヒミックによる、爆笑じんわりパーソナル・ドキュメンタリーを上映します。フィリピンの現代史を三人の子供たちの成長とともに描く『虹のアルバム』。反植民地主義、反マルコス運動、米軍基地問題、ピナツボ火山の噴火、先住民文化の再評価など日常を生きるフィリピン人の目から、10年以上にわたって撮り続けられた映画です。章立てなので、一部だけごらんいただくだけでもおもしろいですよ。
EALAI課外上映 第2回目
日時:5月29日(月)14:45- (上映終了予定 17:40)
場所:東京大学駒場キャンパス 18号館4階 コラボレーションルーム3
上映作品:
■『虹のアルバム』 Why is Yellow Middle of Rainbow?
(製作・監督・撮影・編集:キドラット・タヒミック /フィリピン/1994/175分/日本語字幕/オリジナル16ミリのビデオ上映)
初作品「悪夢の香り」が77年のベルリン国際映画祭批評家賞を受賞し、一躍世界にその名を知られるようになったフィリピンの映画作家キドラット・タヒミックが、ドイツ人の妻との間に生まれた3人の子供たちの成長過程を追いながら、家族と国家、歴史を問い直すドキュメンタリー。81年から撮影を始め、86年より「僕は怒れる黄色」のタイトルで上映され、上映の度ごとに新たな撮影部分を加え、再編集している作品の94年版(監督は“終わりのないドキュメンタリー"と呼んでいる)。資材の欠乏や恒常的な停電といった困難にもめげず、天分のユーモアと創造力で製作を続ける監督の姿勢が感動を呼ぶ。
製作・監督・脚本はキドラット・タヒミック、撮影はタヒミック、ロベルト・イニゲスほか、音楽はボーイ・ガロヴィロとシャント・ヴェルドゥン。ナレーションは監督の長男のキドラット・ゴッドリーブが担当。アンドレイ・タルコフスキー、小川紳介といった映画作家たちも登場する。日本公開に当たり、一般公開に先立って監督のパフォーマンス付きの全国巡回上映が行われた。
第1部『とるにたらない緑』では、ジョン・フォードが「駅馬車」で舞台としたモニュメント・ヴァレーで、子供たちが監督と“第三世界"について対話する場面から始まる。そして母親の故郷であるドイツ、映画祭で訪れたアメリカから日本への旅行記がつづられる。
第2部『怒れる黄色』は、黄色を反独裁者運動のシンボルとした政治プロテストの渦中にある子供たちを記録。
第3部『好奇心の強いピンク』は、マルコス政権の独裁統治終了後の矛盾を扱う。
第4部『惨たんたる灰色』は、火山の爆発・台風の襲来などの天災に見舞われ、政治的にもますます矛盾を露呈していくアキノ政権といった、苦難と絶望感の濃い80年代の社会情勢をとらえる。この後さらに、『植民地色の赤、白、青』『調和のとれないディズニー色』『インディオ先住民の茶色』と続き、フィリピンの先住民族イゴロト族の豊かな文化と精神に接し、失われた大陸レムリアへ思いを馳せ、映画は増殖していく。
お問い合わせ
東京大学/東アジア・リベラルアーツ・イニシアティブ
TEL/FAX: 03-5465-8835
夏学期のテーマ講義「東アジアのドキュメンタリー映画 個人映像から見える
社会」が毎週木曜の5限に開催中です。この90分という短い授業時間では
紹介しきれないアジアのドキュメンタリー映画を、山形国際ドキュメンタリー
映画祭のセレクションから駒場で課外上映いたします。
受講生以外の方もどうぞお越しください。
第1回
日時:5月16日(火)14:40-
場所:東京大学駒場キャンパス 18号館4階 コラボレーションルーム3
上映作品:
■『ハイウェイで泳ぐ』 Swimming on the Highway/在高速公路上游泳
山形国際ドキュメンタリー映画祭 ’99 小川紳介賞受賞
(監督:呉耀東(ウー・ヤオドン)/台湾/1998/49分/日英字幕)
30歳の男性、不安を抱えている。26歳の友人、カメラを持っている。
HIVウィルスに感染しながら生きていく男の生きざまを撮影しながら展開する
二人の関係を、パーソナルなところから見つめる作品。カメラを向けられ、
年上の男は映画の被写体になることと戯れる。監督はその姿に悩みながら
撮影を続ける。動かしようのない事実を前にした二人の真摯さが感動的だ。
■『非婚という名の家』 Scars on Memory/無偶之家,往事之城
第18回東京国際映画祭「アジアの風」部門招待上映
(監督:陳俊志(ミッキー・チェン)/台湾/2005/ 52分/日英字幕)
「美麗少年」で台湾ゲイ・シネマの旗手になったミッキー・チェン監督が、
同性愛をテーマに撮った第3作。台湾に住む中年を迎えた2人のゲイの
姿を、彼らや周囲の住人を通して社会を見つめるドキュメンタリー。
来日中の監督も来場、質疑応答を予定しています。