EALAI:東京大学/東アジア・リベラルアーツ・イニシアティブ | EALAI・「東アジア海域交流」テーマ講義 | 海の東アジア ― 海域交流から見た日本

月曜2限(10:40-12:10) 教室:13号館1321
担当教員:齋藤 希史・小島 毅
東京大学 東アジア・リベラルアーツ・イニシアティブ

アンケート紹介

2007.01.22(月)保立道久「菅原道真と東アジア」

海の東アジア 第12回学生アンケート(2007年1月22日)


道真関連でも知らないことがあまりに多くて少し反省した。歴史常識のアカを落とす場としてこの講義はとてもよい機会になったと思う。(理科二類・2年)


陽成天皇の話から、道真配流まで繋がっていった今日のお話は、詳細で、小説を読んでいるような面白みがあり、正に事実は小説より奇なり、という言葉の通りだと思った。(文科三類・2年)


宇多天皇自身の譲位の意思によって遣唐使派遣が中止されたということは初めて知った。道真の左遷についてはどのようないきさつがあったか(醍醐天皇が時平に何か言われたとか)疑問だった。(文科一類・1年)


“遣唐使”というのは、今まで文化交流という面ばかり注目していたけど、王権に関する面からの注目がとても新鮮で新たな視点が開けました。代替わり事業としての遣唐使というのは初めて知りました。(文科一類・1年)


歴史的に有名な話題だったので興味深く聞くことができた。ただ史料がよくわからず、現代訳や注がついているとよかった。(文科二類・1年)


菅原道真の助言が遣唐使廃止を決めた、という常識は間違いだというのは非常に興味深かった。しかし、その常識はどうして作られなければならなかったのか、疑問に思った。(文科二類・1年)


最後に4つの「名分論」を批判しているが、この4つの論のもつ何らかの説得力についてもう少し知りたかった。③の「民族経済実力説」についても、その後500年あまりも日中間の正式な貿易や国交はなかったのだから、「必要とする物質は十分に満足すべき状態にあった」ということは的を得ていると思う。(文科三類・1年)


日本の王家の資料の豊富さは異様というのは興味深かった。(文科三類・1年)


日本の歴史常識が(新井)白石の時代から進歩してないことはショックであった。日本の歴史学の進め方、内(部)の資料を読み抜くことと、外からの視点の導入、それによってユーラシアの歴史さえも明らかにできる、という話のスケールの大きさに興味を持ちました。(文科三類・1年)


皇太子と東京オリンピックが、歴史的な皇室を祝う祭りと皇室との関係上で語られるという指摘は興味深かった。「唐王朝の支配が弱まり、国内が荒れており、危険をおかしてまで中国から学ぶことはない」というのが私が習ってきた遣唐使廃止の理由だった。事実としての大規模軍隊の侵攻や宇多の代替り構想を都合よくかくして、現代の国民国家、nationalityに歴史を結びつけようとする恣意がみえる。(文科三類・1年)


平安時代は一般に平和な時期として考えられているけれど、実際は9C(世紀)に日本は初めての外国の軍勢の到来を経験し、東アジアの激動の時代を肌で感じていた。やはり教科書の中の歴史は“覚える”対象としてあるのかと思ってしまいました。皇族、天皇、貴族の家系図を見ていつも思うのは、本当に狭い人間関係の中で複雑にからみ合っているということです。特殊で興味深いです。日本以外の国においても王族などについてはこのようなことが起こるのでしょうか。(文科三類・1年)


遣唐使計画に、唐に渡って実情を見聞し、唐帝国への朝貢関係をかくにんして、さらに東アジア情勢を確認しようという思惑があったとはしらなかった。(理科一類・1年)


菅原道真について、王家の内紛とどうからんでいたか、話を聞いたことがなかったので、興味深かった。ただ、もう少し東アジアとの交流に関わる話が聞きたかったと思う。(理科二類・1年)