海の東アジア 第8回学生アンケート(2006年12月4日)
天台宗の文書が消失した際に、日本や高麗に文書を求めて行った話が非常に興味深かった。文化的にそれら2国よりも優れているという自覚があったであろう中国の人々は、経典が海外に渡って「劣化」している恐れを抱かなかったのだろうか。(文Ⅲ・2年)
私は中国語選択なので今回の中国語で講義を聞く機会が持てて嬉しい。方祖猷先生の観音様による夢のお告げについての話と、銭明先生の日本・中国・韓国三国の陽明学受容のされ方の違いについての話は興味深かった。仏教でもそうだが、地域を越えて同一の教義が浸透しているものの方が少ないのだろうと感じた。(文Ⅱ・1年)
陽明学が東南アジアに影響を及ぼさなかったという点が興味深い。海で隔たっている日本より、陸続きのベトナムとかの方が影響を受けそうな感じがする。(文Ⅱ・1年)
方祖猷先生の講義では明州港が日本・高麗・中国の唯一の窓口港であった、ということが印象的です。誰が、どのくらい税をとっているのか、のところで不思議に思ったのが、雑事の貨物に十九分の一税をかけたということです。これほど半端だと端数がでてしまう気がするのですが…。一般の客商は十五分の一とキリがいいことを考えるとますます不思議です。(文Ⅲ/1年)
中国の方が日本の文化と聞いて連想するのは日本の現代文化だと知り、驚きました。外国の人にとって日本の文化といえば室町時代あたりから形成されてきた古い伝統的な文化だと思っていたからです。銭明先生は江戸時代の文化が一番成熟した文化で、それがあまり知られていないのは残念だとおっしゃっていましたがその通りだと思います。(文Ⅲ・1年)
実際に、中国の側から見た日本と中国の交流について聞けて興味深かった。歴史的な面だけでなく、現代における文化交流の話も面白かった。(理Ⅰ・1年)
同じ陽明学という素材が三国の歴史的・文化的・地理的差異によって、それぞれ大きなちがいを生じてきたという事実は面白い。儒学は東アジアの共通文化であると言われそれゆえ安易に「アジアは一つ」というスローガンに動員されてしまいがちであるが、陽明学一つをとってもそれぞれ微妙な差異と共通点が見出される。これからの東アジア国際関係は、このことを念頭に置かなくては一歩も進まないだろう。あと、栄西が巨木を海を渡って運んできたそのやり方が気になる。船のうしろにプカプカ浮かべてきたのだろうか。それとも船腹にくくり付けてきたのだろうか。(文Ⅲ・1年)
中国の書籍を見ることができたのは、(講義とは関係ありませんが)興味深かった。(文Ⅲ・1年)