現在の東アジアでは、国境を越える交流が日増しに緊密となり、それに伴って国民間の軋轢もまた増加している。
目前の障害を越え、和やかで楽しい秩序を創り出すには、この地域に生きる人びとが、進んで互いにコミュニケートし、他を知り、自らを発見する努力をせねばならない。
隣国の韓国・中国のコミュニケ−ション事情がどんなものか、東アジアで「公共性」を追求する際、どんな問題に気を付けねばならないか、日本のメディアはどんな問題をはらんでいるか。
このような問題を、現在、東アジアの知的世界の第一線に立って発言している人びとをお招きし、講義のあと、学生諸君と直接に対話してもらう。
東アジアだけでなく、いま我々が世界の中でどんな立場にいるのか、何をなすべきか、考えたい人に、聴講と対話を勧める。
三谷 博
1950年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科教授。専門は19世紀日本の政治社会・国債関係史。主な著書に『明治維新とナショナリズム』(1997年、山川出版社)、『ペリー来航』(2003年、吉川弘文館)、『明治維新を考える』(有志舎)、『東アジアの公論形成』(編著、2004年、東京大学出版会)、『国境を越える歴史認識』(編著、2006年、東京大学出版会)
孫 歌
1955年、中国吉林省長春生まれ。中国社会科学院文学研究所研究員。専門は中国文学、日本思想。主な著書に『アジアを語ることのジレンマ—知の共同空間を求めて』(2002年、岩波書店)、『竹内好という問い』(2005年、岩波書店)がある。
孫 歌
1955年、中国吉林省長春生まれ。中国社会科学院文学研究所研究員。専門は中国文学、日本思想。主な著書に『アジアを語ることのジレンマ—知の共同空間を求めて』(2002年、岩波書店)、『竹内好という問い』(2005年、岩波書店)がある。
林 志弦
1959年、韓国ソウル生まれ。漢陽大学校歴史学科教授。1988年、Sogang大学で博士取得(西洋思想史)。主な著書にNationalism beyond Nationarism: Between Ethnic and Civic Nationarism, 1999, Sonamoo. Mass Dictatorship Ⅰ: Between Coersion and Consensus, 2004, Bookworld, Ed. with Kim Yong-woo. Mass Dictatorship Ⅱ: Political Religion and Hegemony, 2005, Bookworld, Ed. with Kim Yong-woo.
張 寅性
1957年生まれ。ソウル大学校外交学科副教授。1986年ソウル大学校大学院外交学科修了。
1995年東京大学大学院総合文化研究科国際関係論専攻博士課程修了。著書に『朝鮮時代改革思想研究—政治談論分析を中心として』(共著、韓国精神文化研究院、1998)、『場所の国際政治思想−東アジア秩序変動期の横井小楠と金允植』 (ソウル大学校出版部、2002)、『近代韓国の国際観念に現れた道徳と権力』 (ソウル大学校出版部、近刊)がある。
潘 光哲
中央研究院(台湾)研究員。2000年台湾国立大学で博士取得(歴史学)。著書に"George Washington in China, Taipei"(Samin Publishing Inc., 2006)がある。
林 香里
1963年、愛知県出身。南山大学外国語学部英米科卒業。ロイター通信東京支局勤務後、ドイツのエアランゲン・ニュールンベルク大学留学。ドイツのバンベルク大学客員研究員を経て、現在、東京大学大学院情報学環助教授。専門はジャーナリズム・マスメディア論。著書に『マスメディアの周縁、ジャーナリズムの核心』(2002年、新曜社)、『「冬ソナ」にハマった私たち:純愛、涙、マスコミ…そして韓国』(2005年、文春新書)がある。
劉 擎
1963年生まれ。華東師範大学歴史学科准教授。2003年ミネソタ大学で博士取得(政治学)。専門分野は比較政治思想、中国政治学、メディア政治学。Media Reform and Public Discourse in China, co-authored with Barrett McCormick, Cambridge University Press (under third round review)
Rajiv Ranjan
1959年生まれ。デリー大学東アジア研究科講師。専門は日本近代史。論文に、Obligation as a Cathartic Principle in the Japanese Behaviour Pattern, Sushila Narsimhan and G. Balatchandirane (ed.) India and East Asia: Learning From Each Other, Department of East As Studies, University of Delhi, in association with Manak Publications Pvt Ltd., 2004. Role of Basic Education in the Economic Development in China, Japan and India, in association with G. Balatchandirane and Sreemati Chakrabarti, International Studies, Jawaharlal Nehru University, 2001がある。
清水 美和
1953年、名古屋市出身。京都大学経済学部卒業。1995〜1996年米コロンビア大学東アジア研究センター客員研究員。1977年中日新聞社に入社、香港特派員、北京特派員、中国総局長を経て、現在、東京本社編集局編集委員。著書に『中国農民の反乱——昇竜のアキレス腱』(2002年、講談社)、『中国はなぜ「反日」になったか』(2003年、文春新書)、『中国「新富人」支配——呑み込まれる共産党国家』(2004年、講談社)『驕る日本と闘った男——日露講和条約の舞台裏と朝河貫一』(2005年、講談社)、『中国が「反日」を捨てる日』(2006年、講談社+α新書)がある。
金平 茂紀(かねひら しげのり)
1953年北海道旭川市生まれ。TBS報道局長。1991〜1994年モスクワ支局長。ソ連の崩壊を取材。「NEWS23」のデスクを8年間つとめる。2002年からワシントン支局長。主な著書に『世紀末モスクワを行く』(1994年、パルコ出版)、『ロシアより愛をこめて』(1995年、筑摩書房)、『電視的』(1997年、太田出版)、『二十三時的』(2002年、スウィッチ・パブリッシング)、『メディアの内と外』(共著、岩波ブックレット)、『斎藤茂男 ジャーナリズムの可能性』(共同通信社)がある。
玄 武岩
韓国済州島出身。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。現在、東京大学大学院情報学環助手。専門は社会情報学。著書に『韓国のデジタル・デモクラシー』(2005年、集英社)
劉 雪雁(リュウ シュエ イエン)
1969年中国北京生まれ。国際通信経済研究所客員研究員。外交学院日本語科卒。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。中国大陸、台湾、香港におけるメディアの発展とその社会的、文化的関連、華人ネットワークとメディアのグローバル化について実証研究を進めている。著書に『東アジアのメディア・コンテンツ流通』(共著、慶応義塾大学出版会、2005年)、『メディア・プラクティス』(共著、せりか書房、2003年)、「2002年度民放連メディアリテラシー・プロジェクト研究報告書」(共著、2003年)など。