講義内容紹介
東アジアの近代と現代:言語を中心に
授業の目標、概要
東アジアにおける言語の近代は、ヨーロッパからもたらされた新しい文明と思想を、それまで思考と表現のための共通の文字言語として使われてきた漢文にどのように翻訳・移植するか、という大きな課題の下に始まり、その過程が最終的には「漢文」の解体と、「中国語」「朝鮮語」「日本語」「ベトナム語」といった個別国家の「国語」の確立へとたどりついた時代である。
本講義では、「漢文」が「国語」へと変容する過程で生じたさまざまな現象、とりわけ、均質な「中国語」「朝鮮語」「日本語」「ベトナム語」という今のわれわれの認識枠組みからこぼれ落ちてしまうような諸事象を歴史的にあとづけ、言語をめぐる現代のわれわれの常識を再考する。
参考書
漢字圏の近代:ことばと国家
著者(訳者):村田雄二郎、C・ラマール編
出版社:東京大学出版会
ISBN:978-4130830423
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ガイダンス
第1回授業日(10月7日[月]10:40~12:10)に行う。
教室
12号館 1214教室
履修上の注意
授業進行に際してはCFIVEを使用するので、各自ログインの上登録すること。
学習上のアドバイス
指定参考書は授業内では取り上げないが、その内容を前提として講義するので、各自参照してほしい。
担当教員
- 中国:石井剛(中国語部会・地域文化研究専攻)
- 西洋・香港:吉川雅之(中国語部会・言語情報科学専攻)
- 日本:齋藤希史(国文漢文学部会・超域文化科学専攻比較文学比較文化コース)
- 朝鮮:三ツ井崇(韓国朝鮮語部会・言語情報科学専攻)
- ベトナム:岩月純一(中国語部会・言語情報科学専攻)
- 台湾:陳培豊(台湾中央研究院台湾史研究所)
講義担当教員のウェブサイト
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2013.10.07(月)オリエンテーション
講師:岩月純一
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2013.10.15(火)西洋「西洋人の漢語研究」
講師:吉川雅之
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2013.10.21(月)日本1「漢字圏としての近代日本(1)英華辞典の奔流」
講師:齋藤希史
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2013.10.28(月)日本2「漢字圏としての近代日本(2)訓読体の普及」
講師:齋藤希史
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2013.11.05(火)中国1「地方語・国語・世界語:章炳麟と劉師培の中国語構想」
講師:石井剛
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2013.11.11(月)中国2「天・民・文:近代中国のレジティマシー」
講師:石井剛
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2013.11.18(月)朝鮮1「「国文」と漢文/漢字、価値観の相克(韓国併合以前)」
講師:三ツ井崇
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2013.12.02(月)朝鮮2「交錯する言語的近代:コロニアリズムとナショナリズム(植民地期~現代)」
講師:三ツ井崇
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2013.12.09(月)ベトナム1「「漢字廃止」とは何か?:ベトナムの経験」
講師:岩月純一
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2013.12.16(月)ベトナム2「混ぜない「配合」?:「新漢語」のダイナミクス」
講師:岩月純一
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2014.01.15(水)香港「もう一つの中国か:言語の近代化に於ける選択肢」
講師:吉川雅之
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2014.01.20(月)台湾「漢文の坩堝(るつぼ):重層植民地支配下「台湾国語」が歩んだ道」
講師:陳培豊
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2014.01.27(月)まとめ
講師:岩月ほか
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