2008年度夏学期 EALAI /ASNETテーマ講義 | アジアの自然災害と人間の付き合い方

月曜2限(10:40-12:10) 教室:5号館523
担当教員:小河正基(総合文化研究科准教授)/加藤照之(地震研究所教授)
東京大学 東アジア・リベラルアーツ・イニシアティブ

アンケート紹介

2008.06.30(月)第11回:中西久枝「災害とジェンダー問題」

災害とジェンダーについては、新鮮な視点だと思ったが、行き過ぎたフェミニズムが「災害」というものを利用している側面もあると思う。女性の意思決定機関への参画等は確かに大事だが、それよりも優先すること(たとえば避難、警備網の整備や知識の啓蒙)が多くあるのではなかろうか(1年・文Ⅰ)



それぞれの社会に即した対応策をとろうとしても根本的な解決にはつながらず、結局のところ政府レベルでの女性の教育レベルの向上、社会的地位の向上などの格差是正を通じてしか本当の解決はできないのではないだろうか。(2年・文Ⅰ)


災害で和解した勢力は再びぶつかることはしていないのだろうか。(1年・文Ⅲ)


女性の識字率の低さ→家族計画の不備→多産ということで、災害において大人よりも対応力(体力とか)のない子供や幼児の犠牲者が増加することが、途上国における災害の被害拡大を助長するのかもしれないと思った。(1年・文Ⅱ)


津波などの災害が構造的差別を固定化するという視点は今まで聞いたことがなく新鮮だった。防災の問題は何も施設・ハードウェア面だけではないということを改めて認識した。(1年・理Ⅰ)


GADという考え方が出てきて、状況が変わった国や地域はあるのだろうか。あるとしたら、具体的にどのように改善したか、お聞きしてみたい。(1年・文Ⅲ)


被災後の支援を伝達する手段として、ラジオやTVを使えばきちんと伝わるのではないか。日本とは状況が異なるかもしれないが、戸外にいてあいまいな情報しか得られないことが多い男性と異なり、屋内にいることが多い女性のほうがあらゆる情報を手に入れることができるので、女性にラジオやTVを見る習慣がつけばよいのではないか。(1年・理Ⅰ)


男性と女性の従属関係を打破し、男性と女性が平等に生活することを目標とするならば、最終的には女性を「弱者」と規定している条約(女性と子供の権利条約等)の中の、女性に関する規定は撤廃されるのだろうか。(2年・文Ⅲ)


女性の地位を向上させれば問題解決に繋がるかもしれないが、宗教への進行が根強い地域では、女性が自らの地位を受容してしまい、「女性が抑圧されている」とは言いがたい状況が存在しているかもしれない。(1年・文Ⅰ)


講義では世界各地の女性に共通した性的役割分担(家事・育児など)ゆえに生じる被災への影響に主に焦点が当てられていたように思うが、個々の文化ごとに異なる性的役割分担(アラブの一夫多妻制など)ゆえに生じる被災への影響についても、もっと詳しく知りたいと思った。(1年・文Ⅰ)


災害とジェンダーというテーマは大変興味深かった。日本での現状、問題点についてももっと知りたい。また、平時から社会的性差の大きい地域で災害時になって平等化を目指すのには少し無理があるのではないか。(1年・文Ⅲ)


差をなくすことよりも、差がある中でいかに女性や子供が生活していける環境を整えるかが、求められているのかなと思った。(2年・理Ⅱ)