EALAI:東京大学/東アジア・リベラルアーツ・イニシアティブ | EALAI 2016年度Sセメスターテーマ講義 | アジアにおける「植民地化」と「脱植民地化」 転換と変容のプロセス

月曜日4限(14:55〜16:40)
教室 514教室 K212(KOMCEE EAST 2階) K011(KOMCEE EAST 地下)
担当教員:岩月 純一
東京大学 東アジア・リベラルアーツ・イニシアティブ

questionnaire

2016.05.02(月)インド(1)

 前回の韓国朝鮮の植民地化過程と比較して、意外と似ていると感じたのは、どちらも植民地化される地域の人の意向を考慮しているところだ。勿論、イギリスの植民地過程の方が漸進的で、現地の有力者の力をより利用できている気はしたが、当初の植民地化のイメージに比べると、高圧的な感じは少ない。
 今回最も驚いたのは現地の人々から、イギリスによる統治下権力の波及を求める声があがることもある、ということである。特に現代に近いほど、植民地化への反対運動は大きくなる気がしていたので、現地の、特に社会的弱者が宗王国に保護を求めるところが大変興味深いと思った。近代法を全世界に均等に適用することへの反発は大きい。しかし、歴史を経て、普遍的に人々に当てはまる理念のようなものも近代法の精神にはおりこまれていることもあるだろうか。それが未だ普及していない地域にはその精神の啓蒙を行うことも正統なのだろうか。疑問はつきないと感じた。(文I・2年)


 今回はインドの植民地化についての講義だったが、前回までの朝鮮の植民地化と比較すると様子が大きく違っていて興味深かったし、これがこの授業のねらいなのかなと思った。
 植民地化というと現地勢力からの反発をイメージしやすいが、ルクマバーイの事例のように介入を要求する声もあり得るのだという視点はあまり持っていなかった。イギリスが現地社会の秩序と啓蒙という相反する2つの間の微妙なバランスの中で統治を進めたことが分かった。(文II・2年)


 植民地支配のあり方というと、支配を望む支配者対支配されたくない被支配者という構図を考えがちだったが被支配者の中にも様々なコミュニティーがあり、望むものや植民地支配に反対する点が異なると知れた。
 特に、女性の扱いについて、資料などを見ながら知れたのが同じ女性として興味深かった。女性にとっては、支配者はイギリスだけでなく、伝統や習慣を押しつけてくるインドの男性たちでもあったんだということが衝撃的だった。(文III・2年)


 今までは世界史を履修していなかった影響もあると思いますが、「植民地化」というプロセスは画一的なものであるんだろうという印象がありましたが、今回のものと前回のものとでこれほどまでに差が出てくるんだということに関してかなり驚きを覚えました。また習慣を尊重、啓蒙という2つの全く逆の考えの中で行うイギリス植民地支配の難しさも理解できたと思います。(文III・2年)