書物の歴史(日本) | Date:December 10, 2007

 東アジアで流通した書籍のさまざまなすがたという観点から、じかに書物を手にとって感じたことを述べてください。臆断や暴論も歓迎です。

 


::Comments [13]

かなこ said :

授業中に取り扱った本には本当に貴重な本もあるようで、私なんかが触ってもいいのだろうかと思いました。
活字印刷の技術が発達し、大量印刷が可能になるまでは本1冊1冊がとても貴重であったのだろうと思います。
私が手に取った本のうち1冊ははたくさんの書き込みがしており貴重な本に対する熱意が感じられました。

TK said :

 とても貴重な体験ができました。ありがとうございました。
 私が興味を持ったのは東アジアの書物の共通性よりもむしろその違いです。全く同じ内容の本でも、日本と中国では表紙の厚さが違う。また韓国の書物はサイズが大きいということでした。なぜこの違いが生まれたのか、さらにはこれからこの違いはどうなっていくのか。とても興味を持ちました。また、西洋のペーパーバックの書物と東アジアの書物の違いはどのように生じたのかも気になります。

M.O. said :

書物のいくつかに、手書きの書き込みがしてあったのが非常に印象的でした。現在私たちが語学の教科書に、単語の意味や解釈を書き込むのと同じように、江戸時代にこの書物を所有していた誰かも、漢籍に取り組んでいたのだということを実感しました。また、今回見せていただいた書物の中には、明治時代のものもありましたが、たった百年間で、書物の形態が非常に多様化したことに驚きました。もし、百年後の誰かが、今私が使っている教科書を見たとしたら、どのようなことを思うのか、あるいは、その頃には書物の形態はどのように変化しているのか、さまざまに想像力をかき立てられる講義でした。

recoba said :

CD、DVDの類は保存に便利とされているが、数百年後に中身がまともに残っているかというとはなはだ疑問だ。丁寧に保存された紙の本のすごさを感じた。

Mitsu said :

先週の講義から、東アジアにおいて流通したいろいろな種類・版の
書籍を見てきたが、印象的だったのは各国における装丁上の
特徴である。斎藤先生がおっしゃったように日本・朝鮮においては
「本は大きく立派なものだ」という通念があったということが
本当に「手に取るように」理解できた。そして、私は
その通念は現在の世の中においても存在すると思う。
私自身が書店で本を見るとき、確かに文庫や新書はとても
持ち運びに便利だから、多くの場合買うのはその類の本だが、
ハードカバーの立派に装丁された本を見るとなにか
すごい学説などが書いてありそうな気がする。
図書館や先生方の研究室についてもそうで、なにか装丁の
立派な本が並んでいるととてもアカデミックな雰囲気がするし、
かつTVなどで先生方がインタビューを受けているとき、
大概背景が書棚なのはその権威性を無意識的に考慮しているから
ではないかとさえ思う。私は、立派な本の権威性については
そんなに悪いことではないと思う。もちろん、派手な装丁は
環境高負荷であまり現在の省エネ世界にはそぐわないのかも
しれないが、全ての書籍がB5版や新書・文庫版のソフトカバーに
なってしまうのはあまりに味気ないと思う。
だから、私はこれからの世の中、特に電子書籍の氾濫する
世の中になったとしても、立派な格調高い装丁の本は
この世に残ってほしいと思う。

みずき said :

実際に書物を手にとってみて、とても歴史を感じました。紙が薄いので破ってしまわないか心配で自然と手つきも慎重になりました。昔も、科挙の勉強のために、ポケットに入れて運べてどこでも見られるような小さいサイズの本があったというのがとても面白いなと思いました。その本を手に取ってみて、昔の中国人がとても身近に感じられました。

takayuki said :

よくテレビや写真で、昔の本を見たことはあったのですが、実物は初めてでした。
書き込みなどを見ると、「本当に、何百年も前の人が読んだのと同じ本なのだ」と感じ、とても不思議な気がすると同時に、本は、本当に保存する力がある、素朴ながらも工夫が凝らされた、優れた記憶装置なのだ、と実感しました。

KM said :

今まで古い書物を実際に手に取る機会はほとんどなかったため、とても楽しい体験だった。
その中で印象に残っているのが、本の書き込みである。
私にとって古い物とは固定された物であり、傷つけることがあってはならない物だと感じていた。もちろん現代において古い物、即ち資料に傷を付ける事があってはならないことには変わりないが、古い物も当時は人々に利用された生きた物だったのだという事が実感できた。
また個人的に、本に書き込みを行う事は本を傷つけるように感じられてどうも苦手なのだが、印刷物とはいえ今より生産量も少なく、貴重であっただろう時代にも書き込みが行われていた、というのは少し意外だった。
確かに書き込みは本に傷を付けるという害以上に有用な物であるし、また、こうやって後世から見ると、その時代の人がその本を読んで何を考えたのか、など大量生産物からは決して読み取る事ができない貴重な物ともなる。
また書物の本文の内容にしても、書物という形にならなければ、人に知られる事も、後世に残る事も難しかっただろう。
本は非常に身近で手軽な存在であるが、そのままでは消えてしまうような様々な物を残す偉大な存在なのだと感じた。

y.y. said :

古本屋などを覗くと、訳の分からない本がたくさんあり、それによって知的好奇心が掻き立てられるということがしばしばあるが(神田などに行くともうたまらない。東京は恵まれすぎていると僻みたくもなる。)、前回の授業でも本を前にして(読めもしないのだが)ワクワクした。やはり、何度も人の手によってページがめくられ、読まれてきた書物には風格がある。
マスクをして本のページをめくり、本を手から離した後にはウェットティッシュで手を拭く、など、あまり経験できることではなく、これもまた面白かった。

sn said :

書物は時代や国やジャンルによってその書かれ方や本の形や大きさが異なり、それによってそれぞれその本に関わった人々が何を考えたり学んだりしていたかを今に伝えてくれる。
今回直に触れることのできた書物はかなり古くて時代を感じさせるものだったが、書き込みなどがしてあるのを見ると親近感が沸き、それと同時に書物は学習と切り離せないものだと感じた。
娯楽性の強い書物ももちろん多いが、昔は高尚な内容の本ほどサイズが大きかったなどというエピソードもあるそうで、書物は基本は優れた知識を残し、それを後生の人々が学ぶためのものだと思う。
現在からはるか昔まで書物の歴史をたどっていくことは大変なことだが、それは文化にも政治にもつながるとても重要なことだろう。

よこ said :

私が偶然にも手にとった本が、今のところ日本に2冊しか所在を知られていない牛渚唱和(だったと思うのですが)ですっごいラッキーですっごい嬉しかったです!!朝鮮の活字の年を当てるのもおもしろかったです。以前使ってた活字も混じってる、と聞いた時は「ひっかけ問題だー」と思いましたが、一般的に考えれば資源の活用(?)は当然なわけで、自分がそういうことを考えるときにただひたすら本を読んで考えるのではなく、自分だったらどうするかと相手の気持ちに立って考えるのが大切だなと思いました。
朝鮮では本は大きいほうがいいというのもおもしろかったです。
あとは、マスクをしていて正解だと思いました(笑)

keiko said :

何百年も昔の書物は、すごく薄い紙を使用していて、紙もきれいに半分に折られていて予想以上のものでした。また何枚にもわたる穴(虫食いでしょうか)が空いてて、歴史を感じました。、セットになっている本もあったし、おそらく本は高価なもので当時は知識層や富裕層しか手に取れなかったんだろうなぁと思いました。その分大事に扱われて現代まで残っているんだろうと思いました。

Y*S said :

講義中に手にとらせていただいた本は、本当に貴重なものであったようで、あのような珍しいものに触れる機会が与えられ、非常に貴重な体験をさせていただきました。
実際に手にとって中身を拝見させていただいた感想ですが、まず、とても大きい書物が多いな、ということ、そして、中の紙、一枚一枚が薄いので丁重に扱わなくてはいけないな、ということです。きっとあれらの本が製作された時代には、現代のように、ベッドの上で寝転がって本を読んだり、電車の中でつり革に捕まりながら立ったまま本を読むといったことはなかったんだろうな、と思います。書物はもっと丁重に扱われ、畏敬の念さえ持って読者に読まれていたに違いない、とその書物の形態を見ただけで感じることが出来ました。
あと、字は大きいな、という印象もありました。重々しい感じがしました。書物とまさに「向き合う」ことが、書物を「読む」ことと等しかったのでしょう。
現代は書物の原料である紙は低価格で生産できますし、印刷も容易になり、巷に書物が溢れています。それだけ現代では多くの知識が多くの人に広まるようになりましたが、書物と向き合うということは少なくなっているように思えます。
私も、書物と向き合う、ということを意識して本を読むように心がけたいと思いました。

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