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南京大学集中講義

「写真による都市表象の分析」/ 田中 純(思想史・都市論)


この授業では、2006年3月に南京大学で行なった都市写真をめぐる講義・実習と同年4〜7月に東京大学の1〜2年生向けに実施した同様の演習の成果を出発点として、写真による都市表象の分析について講義する。社会調査法としての写真の利用をめぐる方法論的な導入ののち、2006年の南京と東京における演習について紹介する。さらに数人の写真家を取り上げて、それぞれの都市写真がもつ特性について考察する。写真というメディアについての理解を深めながら、都市に対するあらたな学術的アプローチへの入門を目指したい。過去の演習で作成したWeb サイト上の情報を予習用に用いるとともに、今回の受講者有志には、「南京写真」の投稿を求める予定である。可能であれば、日本に留学中の中国人留学生をアシスタントとして、写真論や都市論、あるいは表象文化論全般についての質疑応答やディスカッションを授業の前後に加えたい。

    前夜祭:中国人留学生を交えた導入的ディスカッション
1)社会調査法としての写真の利用──社会学・人類学的なアプローチ

2)南京写真と東京写真──学生が撮影した実例に基づいて(1)

3)南京写真と東京写真──学生が撮影した実例に基づいて(2)

4)都市の探検者としての写真家たち(1)──森山大道

5)都市の探検者としての写真家たち(2)──畠山直哉
  まとめ:中国人留学生を交えた総括的ディスカッション

参考サイト
駒場路上写真倶楽部:http://urbanphoto.seesaa.net/
2006年夏学期の東京大学における授業のサイト(IDとパスワードが必要)

参考文献
*田中純『都市の詩学──場所の記憶と徴候』(東京大学出版会、2008年)
*田中純『都市表象分析I』(INAX出版、2000年)
*後藤範章「都市を観る、都市を読む——写真で語る:「東京」の社会学——」、
    現代伝承論研究会編『現代都市伝承論 民俗の再発見』(岩田書院、2005年)、83-121頁。
    → http://urbanphoto.up.seesaa.net/image/Goto2005.pdf
*関根康正「〈「東京」を人類学する〉ための覚え書き」、関根康正編『〈都市的なるもの〉の現在:
    文化人類学的考察』(東京大学出版会、2004年)、513-526頁。
    → http://urbanphoto.up.seesaa.net/image/Sekine2004.pdf