EALAI東京大学 東アジア・リベラルアーツ・イニシアティブ
日本語版
Counter:

南京大学集中講義

「東西を走る20世紀の踊る身体」/ DE VOS, Patrick(フランス演劇・舞台芸術理論)


この授業では、20世紀の表象文化の顕著な契機である「身体」を、舞台芸術の視点から取り上げる。具体的には、ヴァーツラフ・ニジンスキーや土方巽という, 時代的にも文化的にも全く異なった文脈で活躍した二人のダンサー・コレグラファーの作品群を特に注目し、それらが如何に時代の身体文化の断絶を先取り或いは浮かび上がらせたかを分析しする。この二人の舞台のアーティストは、それぞれの方法で行った、西洋(キリスト教)文化の根底にある「身体」という神話、近代文明の発展において支配的になった視覚に依拠する身体表象の問い直し又は解体は、なにを争点にしたかを問題にする。それは新なる性、運動性、共同体、歴史性などへ模索であって、授業ではできれば映像を観ながら、それぞれの様相を紹介する。

1)複製技術時代の劇場文化の変化

2)身体運動の再発見やリズムの危機

3)ニジンスキーの『春の祭典』という革命

4)「犠牲」という身体のドラマテュルギー:ニジンスキーと土方

5)語る身体から身体という語りへ:土方巽の『肉体の反乱』と『疱瘡譚』

6)「暗黒舞踏」の世界的な発展の諸問題

参考文献
1. Vaslav Nijinsky, The Diary of Vaslav Nijinsky (Unexpurgated)
2. Antonin Artaud, The theatre and its double
(translated from the French by Mary Caroline Richards.New York : Grove Press, c1958) (le théâtre et son double, Paris : Gallimard).
3. Maurice Merleau-Ponty, Le visible et l'invisible, Gallimard.
4. Laurence Louppe, Poétique de la danse contemporaine, Contredanse, 2000.
5.Hijikata Tatsumi, In Prison (and other texts), translated by N. Kurihara, in Drama Review(The), N°165, New-York, spring 2000.
6. Sally Banes, Terpsichore in sneakers : post-modern dance, Boston : Houghton Mifflin, 1980.
7.Odette Aslan (dir.), Butô(s). Paris : CNRS, 2002.
8.アントナン・アルトー 著、『演劇とその分身』(『アントナン・アルトー著作集1』収録)、
安堂信也訳、東京 : 白水社, 1996、247p
9. 土方巽著、『土方巽全集 』、東京 : 河出書房新社, 2005、2冊
10. 川崎市岡本太郎美術館, 慶応義塾大学アート・センター編、
『土方巽の舞踏 : 肉体のシュルレアリスム身体のオントロジー 』、東京 : 慶応義塾大学出版会, 2004、198p 〈CD-ROM付き〉
11. 國吉和子著、『夢の衣裳・記憶の壺 : 舞踊とモダニズム』、 東京 : 新書館、2002
12. 山口庸子著、『踊る身体の詩学 : モデルネの舞踊表象 』名古屋 : 名古屋大学出版会, 2006, 313, 69p ; 22cm
13. 鈴木晶著、『ニジンスキー神の道化』、東京 : 新書館、1998.7