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南京大学集中講義

「シェイクスピアと表象の問題」/ 河合 祥一郎(イギリス演劇・文学)


この授業ではまず、シェイクスピアの『ハムレット』に出てくる「演劇は自然に掲げる鏡」という表現と「心の目で見る」という表現を切り口として、客観的事実と主観的真実の違い、カメラ・アイと心の目の違いについて語り、そこからリアリズムとシェイクスピア演劇の違いへと話を進めていく。近代演劇というレンズを通して見ると、シェイクスピア演劇は本来の姿と違ってしまう。テクストはそれを生み出した文化から取り外して読むと誤解をしてしまうがゆえに、ポストセオリーの今、「テクストの外」にある「文化」や「作者」の重要性を考える。すなわち、「作者の死」を唱える時代は終わったのである。

1)『ハムレット』における「心の目」

2)ルネサンス的アナモルフォーズ

3)演劇という「鏡」――演劇的モードの差

4)戯曲という概念の文化的相異

5)Authorship問題、書いたのは誰か

6)テクストとは何か、作者とは何か、伝記の問題

参考文献
*William Shakespeare, Hamlet
*Jurgis Baltrusaitis, Anamorphic Art
*Stephen Greenblatt, Will In The World: How Shakespeare Became Shakespeare
*Peter Ackryod, Shakespeare: The Biography
*Samuel Schoenbaum, Shakespeare: A Documentary Life
*John Michell, Who Wrote Shakespeare?
*シェイクスピア作、河合祥一郎訳『新訳ハムレット』角川文庫
*スティーヴン・グリーンブラット著、河合祥一郎訳『シェイクスピアの驚異の成功物語』白水社