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南京大学集中講義

「空間の表象 表象の空間」/ 田中 純(イメージ論・都市論・思想史)


この講義では、小林康夫教授の「表象文化論概説」における歴史的展望を受け、都市や建築といった「空間」に関わる表象文化(空間の表象)の分析を通じて、西欧の知が形成してきた「空間」の様態(表象の空間)を考察する。具体的には、科学や哲学と密接に関係した遠近法をはじめとする空間表象の技法から、19世紀における視覚理論や視覚遊戯が依拠する身体と空間の関係、写真における近代都市の表象などをトピックとしてとりあげる。さらに、モダニズム建築と併行して形成された空間論を検討したうえで、このような近代的空間の終わりを志向する試みやサイバースペースへの建築の拡散、それらと連動した都市の変容といった現在の動向を扱う。(*は、参考テクスト)

1)~ 2)詩と記号:マラルメからソシュールへ
*ステファヌ・マラルメ『デヴァガシオン』ほか Stéphane Mallarmé, Divagations
*フェルディナン・ソシュール『一般言語学講義』Ferdinand de Saussure, Cours de linguistique générale
*ミシェル・フーコー『言葉と物』Michel Foucault, Les mots et les choses

3)~ 4)表象メディア論(1):テレビを考える
*マーシャル・マクルーハン『グーテンベルクの銀河系』Marshall McLuhan, The Gutenberg galaxy : the making of typographic man
*マーシャル・マクルーハン『メディア論 人間の拡張の諸相』Marshall McLuhan, Understanding media : the extensions of man
*レギス・ドブレ『一般メディオロジー講義』Régis Debray, Cours de médiologie générale
*ウンベルト・エーコ『開かれた作品』Umberto Eco, Opera aperta

5)~ 6)表象メディア論(2):コンピュータ
*ディヴィッド・ボルター『ライティングスペース:電子テキスト時代のエクリチュール』
J. David Bolter, Writing space : the computer, hypertext, and the history of writing