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南京大学集中講義

「表象と主体」/ 高田康成(イギリス文学・表象古典文化)


この授業では、シェイクスピアの演劇を手がかりとして、西欧近代においける「主体の表象」について考察を進める一方、その延長線上に日本の近代を据えて見ることにより、東西比較の試みを行う。  西欧近代の文物の研究は、西欧近代という「知」の歴史的条件の下に組み立てられたものである。そのような研究の代表例の一つであるシェイクスピア研究も例外ではありえない。では、それを日本という東洋近代において行うということはどのような事態であろうか。そもそもそれは可能なことだろうか。  このような問題を、主体形成の表象として迫りたい。 以下がその概略である。(*は、参考テクスト)

1) 序論
*イマニュエル・ウォーラーステイン『新しい学 : 21世紀の脱=社会科学』
Immanuel Wallerstein, The End of the World As We Know It, (Minesota UP, 1999)

2)シェイクスピアとの距離の取り方
*ミハイール・バフチーン『フランソワ・ラブレーの作品と中世・ルネッサンスの民衆文化』
Mikhail Bakhtin, Rabelais and his world. Translated by Helene Iswolsky. (M.I.T. Press, 1968)

3)『ジュリアス・シーザー』と共和的主体
*ジャック・ラカン『精神分析の四基本概念』
The four fundamental concepts of psycho-analysis / Jacques Lacan ; edited by Jacques-Alain Miller ; translated by Alan Sheridan (London : Vintage, 1998); Quatre concepts fundamentaux de la psychanalyse

4)『コリオレイナス』あるいは世俗的主体の運命
*Louis Althusser, Essays on ideology (London : Verso, 1976)

5)主体形成をめぐる東西比較の視座
*Hans Blumenberg, The Legitimacy of the Modern Age, (MIT Press, 1978) *Karl Löwith, Meaning in History, (Chicago UP, 1949)

6)九鬼周造という現象
*九鬼周造『〈いき〉の構造』;『偶然性の問題』