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南京大学集中講義

「表象文化論概説」/ 小林康夫(現代哲学・芸術論)


この授業では、西欧における「表象」概念の確立を歴史的に振り返りながら、それがどのように ダイナミックに変化してきたかを展望する。西欧を問題にするのは、あくまでも、そこに現在の われわれの文化を根本的に規定している「普遍性」の基準が打ち立てられたからである。言うま でもなく、「大学」University という理念はそこから生まれたものである。しかし、14世紀から 現在に至るまでの数世紀の「表象」の歴史を概観するのは簡単ではない。そのため、ここでは、 ある意味ではもっとも「表象らしい」表象、あるいは「表象の表象」でもあった「絵画」を中心 にして、「絵画の誕生」から「絵画の解体」へと至る歴史として「表象」の歴史を考えることにする。 最終的には、それは、「人間」という理念そのものと「表象」という理念がどのように発展して きたかを展望する作業ということになる。以下がその概略である。 (*は、参考テクスト)

1)ジョット・絵画の誕生
*ヴァザーリ『芸術家列伝』Giorgio Vasari, Le vite de' più eccellenti pittori scultori ed architettori
*デカルト『方法序説』René Descartes, Discours de la méthode

2)ミケランジェロ・アレゴリーとバロック
*ミシェル・フーコー『言葉と物』Michel Foucault, Les mots et les choses

3)ロマン派・崇高の美学
*イマニュエル・カント『判断力批判』 Immanuel Kant, Kritik der Urteilskraft

4)マネ・表象のモデルニテ
*シャルル・ボードレール『悪の華』 Charles Baudelaire, Les fleurs du mal

5)デュシャン・表象の解体
*アンドレ・ブルトン『シュルレアリスム宣言』 André Breton, Manifeste du surréalisme
*ヴァルター・ベンヤミン『複製技術時代の芸術作品』
Walter Benjamin, Das Kunstwerk im Zeitalter seiner technischen Reproduzierbarkeit

6)ウォーホル・大衆時代の美学
*レム・コールハース『錯乱のニューヨーク』 Rem Koolhaas, Delirious New York : a retroactive manifesto for Manhattan