100年を迎えた中国映画の歴史を、映像表現の歴史として検討する。中国映画の映像表現は、どのように形成されてきたのか。その過程でどのような映像が海外から持ち込まれ、消費され、さらに相互に影響しあうことで、現在にいたる中国映画の映像表現が可能となったのかを、映像に即して検証する。一国の映画史は、孤立した民族文化の発展史として記述しうるだろうか。あるいは、欧米映画を機軸とした、その波及の歴史として記述されるのだろうか。映像による自己イメージの形成を縦糸として、中国映画を形作ってきたさまざまな要因について検討し、100年史の新たな記述の可能性を考えてみよう。
(中国で出版されている中国映画史を参考書とする。)