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南京大学集中講義

「詩学から記号論、そして、表象メディア論へ」/ 石田英敬(記号論・メディア分析)


この授業ではまず、マラルメの「詩」とソシュールの「記号の知」を取り上げ、19世紀から20世紀への転回期に、文学、詩、芸術と、ことば、記号、メディアが、どのような関係性の新たな配置を生み出したのかを探り、表象文化論がなぜ、記号学や詩学、精神分析やメディア論の問いと結びつくのかを明らかにしてゆく。これに続く時代のメディア革命は、映画、レコードやテレビを生んだ20世紀前半のアナログ・メディア革命と、コンピュータ技術の登場による20世紀後半のディジタル・メディア革命という2つの革命からなる。そこで、こうした革命によりメディア化した世界における「現実」とは何かを、「テレビ的表象」の問題として考察し、続けて、あらゆる事象を「情報」として処理する記号テクノロジーが可能にした表象の問題を取り上げて分析する。 (*は、参考テクスト)

1)~ 2)詩と記号:マラルメからソシュールへ
*ステファヌ・マラルメ『デヴァガシオン』ほか Stéphane Mallarmé, Divagations
*フェルディナン・ソシュール『一般言語学講義』Ferdinand de Saussure, Cours de linguistique générale
*ミシェル・フーコー『言葉と物』Michel Foucault, Les mots et les choses

3)~ 4)表象メディア論(1):テレビを考える
*マーシャル・マクルーハン『グーテンベルクの銀河系』Marshall McLuhan, The Gutenberg galaxy : the making of typographic man
*マーシャル・マクルーハン『メディア論 人間の拡張の諸相』Marshall McLuhan, Understanding media : the extensions of man
*レギス・ドブレ『一般メディオロジー講義』Régis Debray, Cours de médiologie générale
*ウンベルト・エーコ『開かれた作品』Umberto Eco, Opera aperta

5)~ 6)表象メディア論(2):コンピュータ
*ディヴィッド・ボルター『ライティングスペース:電子テキスト時代のエクリチュール』
J. David Bolter, Writing space : the computer, hypertext, and the history of writing