EALAI東京大学 東アジア・リベラルアーツ・イニシアティブ
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第9回東アジア四大学フォーラム東京会議 / BESETOHA

ワーキングセッション / 齋藤 希史(東京大学准教授)


このセッションは、遠隔講義実現のための諸条件を調整するために行われた。まず北京大学の侯建軍教授から、北京大学ネットワーク教育学院における遠隔教育の概要が述べられ、ついで、ソウル大学のソ・ギョンホ教授から、共同遠隔講義の具体的な内容について提案があった。さらに、ベトナム国家大学ハノイ校のグエン・ゴック・ビン教授から、ベトナムにおける教育研究用ネットワークの能力と今後の増強計画について、説明があった。最後に、それらを踏まえて、東京大学の齋藤から、全体のまとめと提案があった。

討議の結果、以下の点が確認された。
  • ソウル大学と東京大学は、共通のテレビ会議システムによる遠隔授業の試行を2008年4月から開始し、同10月から東アジアの経済・経営をテーマとする共同授業を英語で行う。それぞれの大学の学期期間が異なることを踏まえ、全体の3分の2程度を共通とし、単位認定は各大学の基準で行う。授業準備のため、ソウル側および東京側の授業担当者を定め、具体的な授業内容の打ち合わせを開始する。
  • 2009年からは、東アジアの文化をテーマとする共同授業を、それぞれの言語と翻訳によって行う。これについても、授業担当者を定め、授業内容および適切な翻訳方法について打ち合わせを行う。
  • 北京大学とベトナム国家大学ハノイ校は、これらの共通授業に自由に参加することができる。将来的には、両大学の教員も授業に加わった共通授業を視野に入れる。また、四大学は、それぞれの教育研究用回線が適切に運用され、増強されるよう協力する。

  • これまでの東アジア四大学フォーラムにおいても、共通授業の呼びかけは何度か行われたが、具体的な手順について実務レベルで話し合われたことはなかった。今回、各大学の担当教員が顔を合わせ、遠隔講義実現のため、ネットワーク技術的な側面と授業期間や単位認定等の教務制度的な側面との二つについて情報交換がなされ、最初の一歩としてソウル大と東大との共同授業が実現する運びとなったのは、画期的と言えよう。

    共同遠隔講義は、ネットワーク環境の急速な普及と進展によって、技術的な側面についてほとんど障害はなくなっており、英語による授業であれば、実現はたやすい。一方、BESETOHAの理念である文化的多様性を尊重する立場からすれば、各国の言語による共同授業を実現するための翻訳(通訳)技術の整備開発もまた重要である。今後とも継続して情報交換と討議を重ねる必要があろう。