東アジア四大学フォーラムは、1999年以来毎年開催され、中国、韓国、ベトナム、日本における高等教育を牽引していく位置にある4大学の研究者が、東アジアという地域における大学の役割、とりわけ教養教育のもつ意味について議論を重ねてきた。第1ラウンドの会議では、主としてアジア的価値を問い直し、東アジアの文化的共同性とその今日的な意義とはなにかということについて議論された。第2ラウンドでは、第1ラウンドでの議論の成果を受け、東アジア諸国の間の地域的連携がますます強まっている現在、東アジア地域が全体として調和的発展を遂げるとともに、知の共同体を構築するためには、この地域における文化的多様性を十分に考慮に入れた上で、様々な領域において議論を深めていく必要があるという認識の上に立って、共通の文化を創造し、持続的発展を可能にするために大学教育、とりわけ教養教育の果たすべき役割は何かについて議論がなされた。さらに、ソウルでの2005年の第7回会議、ハノイでの2006年の第8回会議からは、自然科学系の研究者も参加し、東アジアにおける持続的発展の問題も議題として取り上げられた。
その成果は、2006年11月のハノイ会議で採択された「東アジア四大学フォーラム ハノイ宣言」に反映されているが、そこでは四大学フォーラムをさらに強化・発展させ、正式のネットワークにしていくと同時に、この4大学が核となって世界の他の地域との交流を促進していくことが確認された。