東アジアの公論形成
金曜日5限(16:20-17:50)
教室:12号館1213
開講趣旨
東アジアと世界の将来にとって、この地域内で多様な議論を自由に交わせるようになるか否かは死活の重要性を持っている。例えば、いま名実兼ね備える大国として登場しつつある中国は、隣国をはじめとする外国人と必ずしも円滑なコミュニケーションができないという問題を抱えている。また、日本と韓国はすでに自由民主主義を制度化しているが、現在、その政治とマスメディアやITとの関係にはかなりの変化が進行している。その可能性と問題点はどのようなものなのだろうか。
このテーマ講義では、東アジアでの「公論」の歴史と現状を概観した後、その現場で様々の努力と工夫をなさっている、日本・韓国・中国などの代表的知識人に登壇していただく。アジアと世界の将来を担う諸君に、ぜひとも彼らの声を直接に聞き、討論する経験をしていただきたい。
プログラム
2005.10.07
ガイダンス(および日本)
三谷 博(教養学部)
2005.10.14
中国:「法を以て公とする」中国社会の現状と法治国言説の諸相
季衛東(神戸大学)
2005.10.21
中国:世論フォーラムとしての裁判 中国的制度設計と司法改革の行方
同上
2005.10.28
中国:近代中国の公論圏 (1800-1949)
許紀霖(華東師範大学)
2005.11.04
中国:現代中国の公共知識人と公共圏 (1980-2000) 同上
2005.11.11
中国:中国の環境保護運動と民衆参加 金沙江・虎跳峡ダム建設反対運動を例として
村田雄二郎(教養学部)
汪暉(清華大学)
2005.11.18
中国:“国退民進”とは何か? ある中国国営紡績企業の制度改革を例として
汪暉
2005.11.25
(駒場祭につき休講)
2005.12.02
ヴェトナム:現在ベトナムにおけるマスメディアの仕組み
Dinh Van Huong (ディン・ヴァン・フオン、ヴェトナム国家大学)
2005.12.09
ヴェトナム:公論におけるマスメディアの役割
同上
2005.12.16
韓国:韓国の民主化、韓半島の平和、韓日関係
崔章集(高麗大学校)
2006.01.13
日本:現代日本における公共圏と世論 その連続性と非連続性について
林香里(東京大学情報学環)
2006.01.20
(入試センター試験につき休講)
2006.01.27
討論 韓国のディジタル・デモクラシーと日本
三谷博(協力 玄武岩)